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第五話 どんぐり

はなちゃんは、始めは落ち葉を拾っていましたが、落ち葉にまぎれてどんぐりが落ちていることに気がつきました。

はなちゃんのおにいちゃんは、小学校のサッカーチームに入っています。

今日は、区内の公園でリーグ戦です。
ママは、朝からお弁当作りで大忙しでした。
はなちゃんも一緒におにぎりを作りました。

会場の公園には、サッカー場に加え、野球場もあり、とても大きな場所でした。

午前中の試合はおにいちゃんの活躍もあり、1対0で勝ちました。

午後の試合までにはまだ時間があります。
みんなではなちゃんとママで作ったお弁当を広場でたべました。

お昼ご飯をたべるとおにいちゃんは練習があるといってみんなのところへいってしまいました。

はなちゃんとパパは、公園の中をたんけんすることにしました。

野球場とサッカー場の間の道を進みました。
公園の一番奥の場所には小さな池がありました。
その横にはちょっとしたぞうき林がありました。

何本かのくぬぎの木があり、落ち葉がたくさん落ちていました。
パパは、一本、一本木を調べて行きます。
はなちゃんは、夏休みにかぶとむしをとった那須高原のぞうき林を思い出しました。

はなちゃんは、始めは落ち葉を拾っていましたが、落ち葉にまぎれてどんぐりが落ちていることに気がつきました。
どんぐりには、二種類あり、細長いものとまあるい太っちょのものがありました。
はなちゃんはポケットいっぱいにどんぐりをつめました。

その時です。
くぬぎの木を調べていたパパが叫びました。

「いたいた!」

次のしゅんかん、はなちゃんが見上げるとパパが小さなコクワガタをつかんでいました。

大きなくぬぎの木の皮の下から枝で取り出したようです。

「パパすっご〜い!」

はなちゃんは思わず、どんぐりひろいの手をやすめて立ち上がってしまいました。
パパは、かぶっていた野球ぼうをとるとぼうしのうらがわのひだのところに入れてぼうしをかぶってしまいました。

「パパ、いたくないの?」

はなちゃんは、心配そうに聞きました。

「大丈夫、おとなしくしているようにおまじないかけたから」

パパはニコニコしながら答えました。

おにいちゃんのチームは午後一番のしあいにはかったものの、決勝戦ではまけてしまい二位でした。
おうちにかえってばんごはんまでのあいだ、はなちゃんはおにいちゃんとどんぐりにつまようじをさしてこまにして遊びました。

お風呂を洗っていたパパがもどってくるといいました。

「どんぐり、にさんこくれないかな?」

「いいよ、でも何するの」

「くぬぎの木を育てるんだよ」

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