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第六話 冬支度

キノコの入っていたビンを良く洗って、ふかふかのオガくずのお布団をみんなでつめています。

寒い、寒い、冬がやってきました。

あの後、パパはどんぐりをバケツの水につけてからお庭にうめました。

今日は、みんなでクワッチたちの冬眠用のベット作りです。

キノコの入っていたビンを良く洗って、ふかふかのオガくずのお布団をみんなでつめています。
はなちゃんには、虫が冬眠するという話はとてもオドロキでした。

「パパ、クワッチたちお腹すかないの」

「大丈夫。秋の間にたくさんご飯をあげておいたからね!」

「ふ〜ん?!」

はなちゃんは、考えました。
長い長い冬の間に餌を食べないでほんとうに大丈夫なのでしょうか?

今度は、おにいちゃんが聞きました。

「クワッチたちは、いったい何年生きるの?」

「そうだな。上手に飼えば、3、4年は生きるんだってさ!」

「へぇ〜?!」

ふたりは、目を丸くしておどろきました。

その日の夜、はなちゃんとおにいちゃんは、サンタクロースに何をたのむか二人で相談しました。

一方、パパは、パソコンでずっと調べごとをしています。

パソコンから広がるインターネットの世界はとても広い世界です。
ドラえもんのボケット程ではありませんが何でも答えてくれるふしぎな世界です。

おにいちゃんは、去年の夏休みの宿題で世界遺産について調べました。

はなちゃんは、お誕生日にはかわいいおにんぎょうを外国のお店から買ってもらいました。

また、いろんな人のHPを訪問することで顔も知らない遠くの会ったこともない人と知り合いになれるそうです。

はなちゃんは、だまって画面を見ているパパに思わず、話し掛けました。

「パパ、なにみているの?」

「.......」

はなちゃんがパソコンの画面をのぞきこむとそこには一匹のクワッチの写真が出ていました。

「あしゅらだんしゃくだ!」

パパが叫びました。

「あしゅらだんしゃく?」

そのクワッチはおんなの子のようでしたが少し変わっていました。
右側と左側が違うのです。

「右側は、おんなの子なのに左側は小さな角が付いているよ」

はなちゃんも思わず、大きな声でいいました。
ちょうどその時、おにいちゃんも画面をのぞき込みました。

「うわ、何このクワッチ?!」

「あしゅらだんしゃくって言うんだって!」

はなちゃんが得意そうにいいました。

おにいちゃんは、「あしゅらだんしゃく」のことを知っていました。
昔のロボットアニメで出ていた悪役です。
右側が男で左側が女というぶきみなヤツです。

「これはね、"モザイク"と言って一つの体におんなの子とおとこの子がいるとっても珍しいクワッチなんだ。
普通のクワッチにまぎれて何百、いや何千分の一の確率でしか産まれてこないんだ」

パパが説明しました。

「はじめからけっこんしているの?」

「赤ちゃんは、どうやって産むの?」

立て続けにおにいちゃんとはなちゃんが質問します。

「残念ながらけっこんも赤ちゃんもできないんだ。」

パパが答えました。

世の中にはこのほかにも眼の白いクワッチやオオクワガタとコクワガタの混血のなど、珍しいクワッチがいるそうです。

インターネットで調べるといろんなことがわかります。

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